京都の祇園祭はどう楽しむ?おすすめの見所と楽しみ方
永井 雄一
京都の観光について内部の京都人だからこそ知っている情報を分かりやすく発信します。地元のエキスパートだからこその皆さんが知らない京都の中身を分かりやすく解説していきます。
京都大学大学院 経営管理 修了
同志社大学 商学研究科博士課程
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京都の祇園祭は、大阪の「天神祭」や東京の「神田祭」と並び、日本三大祭の一つです。
祇園祭が開催される時期に京都を訪れる人の多くは、この祭りにぜひ参加したいと思っているはずです。
とは言っても祇園祭はたくさんの祭行事があるので、どのように楽しんだらよいのかわからない人のために基礎から紹介します。
目次
祇園祭とは?
祇園祭は、京都で古くから続けられている八坂神社のお祭りで、7月1日より一カ月に渡る開催期間中にたくさんの祭行事やイベントが行われます。
平安時代から1100年続いている祇園祭
祇園祭は、京の都に蔓延した疫病を鎮めるために始まり、平安時代から1100年以上の歴史と伝統を受け継ぎながら京都の人々とともに歩んできた祭です。
祇園とはスサノオノミコトの別名です。祇園祭は、この荒ぶる神の怒りを鎮めるため、神の力にすがり悪霊を退散させる祭りとも言われています。
人気の秘密
祇園祭が人気の祭となっている一番の理由は、八坂神社と氏子さん達だけの祭事ではなく、京都のお祭りとして広く親しまれているので、祭行事以外でも豪華絢爛な山鉾鑑賞、屏風祭り、露店や屋台など、初めて参加してもたくさんのみどころや楽しみ方があることです。
また、祇園祭は、邪気を祓うだけでなく、怨霊が悪さをしないように祈祷するためにお囃子や踊りが多くあるのでどこか優しさがり、人々の心を和ませてくれるところも人気がある理由です。
「宵山」と「山鉾巡行」が最大の祭行事
祇園祭の日程は、毎年7月1日の「吉符入」から31日の「疫神社夏越祭」まで一カ月に渡りさまざまな神事や祭行事が行われますが、最大の祭行事は、「宵山(よいやま)」と「山鉾(やまぼこ)巡行」です。
初めての方はまずはこの「宵山」と「山鉾巡行」に参加するのがおすすめです。
祇園祭といえば「宵山」
「宵山」について解説します。
「宵山」とは?
祇園祭と言えば「宵山」と言われるように、山鉾巡行と並び、祇園祭で欠かすことができない祭行事の一つです。
宵山は、7月17日の前祭と24日の後祭に行われる山鉾巡行の前々日から3日間に渡って行われる「前夜祭」のような祭で、山鉾巡行に続いて観客数が多い人気の祭行事です。
前祭と後祭の宵山
「前祭」の宵山は、14日の「宵々々山」から16日の「宵山」までの3日間開催され、夕方になると吊るした駒形提灯に火がともった山鉾に「コ・ン・チ・キ」の音色の祇園囃子を伴い、市街を引っ張って歩きます。
前祭りの宵山の15日と16日は、夜になると露店や屋台が沿道に並ぶので観客が多く、18時から23時頃まで四条通りの八坂神社から堀川までは、歩行者天国になります。
「後祭」の宵山は、21日の「宵々々山」から23日の「宵山」までの3日間開催され、前祭の宵山ほど賑わいはないですが、1100年以上に渡って続いている京都の伝統的な宵山の風景を見ることができます。
おすすめの見所と楽しみ方4選
祇園祭の前祭と後祭の宵山はどちらも3日間に渡って開催されるので、見所と楽しみ方がたくさんありますが、特におすすめの見所と楽しみ方は、「2つの宵山」、名物の「ちまき」、「屏風祭り」、「露店と屋台」、「提灯落とし」の4つです。
楽しみ方① 祇園祭の名物、「ちまき」
祇園祭の名物、笹で作られた“食べない”「ちまき」は、「宵山」期間中に購入できます。「ちまき」は、祇園祭の「厄除け」のお守りなので、玄関先に飾るとご利益があります。
「ちまき」は、八坂神社と各町内にある山鉾の組立場所で購入できますが、屋台や露店では購入出来ないです。山鉾巡行の先頭に立つ長刀鉾の組立場所では、厄除けと疫病除けにご利益のある「ちまき」が13日の昼頃から、他の山鉾の組立場所では14日から販売されますが、すぐに売り切れてしまいます。「ちまき」は後祭の宵山でも購入できますが、八坂神社では祇園祭の期間中に購入できます。
「ちまき」のご利益は山鉾によって異なるので、自分の求めているご利益がある山鉾を見つける散策も楽しみです。
楽しみ方② 町が美術館になる屏風祭
「屏風祭り」は、前祭の宵山期間中に市内の老舗や旧家が所蔵している美術調度品を一般公開する祭りで、昔から屏風が多く展示されたので「屏風祭り」と呼ばれています。
屏風祭りでは、芸術性の高い武具類や着物、先祖代々受け継がれてきている重要無形文化財級の美術工芸品なども展示されているので、京都の人々が受け継いでいる伝統文化と今日まで祇園祭を支えてきた人々の暮らしぶりに触れることができます。
楽しみ方③ 歩行者天国で楽しむ露店と屋台散策
露店と屋台の散策は、祇園祭の楽しみです。露店は、前祭の宵山の15日と16日の夕方から、歩行者天国になる烏丸通りと四条通りの沿道に並ぶので、楽しみながら散策できます。後祭は、露店の出店がないので露店を楽しみたい場合は、前祭の宵山に参加することがおすすめです。
宵山の期間中、普段は敷居が高そうな老舗のお店も、自分の店舗の前に屋台を出しているので、前祭と後祭の宵山では、お祭と屋台散策を一緒に楽しみながら京都の雰囲気を堪能できます。
楽しみ方④ 函谷鉾の「提灯落とし」
前祭りの宵山では、夜になると提灯の灯りが灯された豪華絢爛な山鉾の光景が見所の一つですが、「宵山の函谷鉾(かんこぼこ)」と呼ばれる鉾の「提灯落とし」は一番の見所です。
函谷鉾の「提灯落とし」は、祇園囃子の演奏がテンポ良く速くなって、周りの雰囲気が最高潮に達すると終わりますが、同時に鉾に吊るしてある駒形提灯の灯りが一気に落とされるので、幻想的な美しい光景を楽しむことができます。
祇園祭といえばこの山鉾巡行
「山鉾巡行」について解説します。
山鉾巡行とは?
「山鉾」とは、山車の一種で、台の上に山の形などの造り物があって、ほこ・なぎなたなどを立てるものを言います。
祇園祭に登場する山鉾は全部で33基あり、それぞれにご神体が祀られ、さまざまなご利益があると言われています。
祇園祭と言えばこの「山鉾巡行」と言われるように「宵山」と並んで祇園祭では欠かすことができない最大の祭行事なので、一番観客数が多いです。
山鉾巡行は、17日の夕方から行われる神幸祭(神輿渡御)と24日の還幸祭に先立ち、17日の前祭と24日の後祭の2つに分かれて八坂神社で行われます。京都市内の中京や下京地区の町民がそれぞれの町に伝わる山や鉾を引っ張って市内を練り歩きます。
また、「山鉾」の巡行する順番はくじによって決められますが、長刀鉾が毎年先頭と決まっているのでくじを引く必要がなく、前祭りの山鉾巡行では、“くじ取らず”の長刀鉾を先頭にして、23基の山鉾が都大路を巡行します。巡行順路は、四条烏丸を午前9時に出発して、四条河原町、河原町御池を経由して新町御池に11時30分頃到着します。
後祭の順路は前祭りとは逆に行われ、10基の山鉾が烏丸御池を午前9時30分に出発して、河原町御池、四条河原町を経由して四条烏丸に11時30分頃に到着します。
おすすめの見所と楽しみ方2選
山鉾巡行の見所は、豪華絢爛な山鉾の鑑賞と「辻回し」の2つです。
「動く美術館」と呼ばれる豪華絢爛な長刀鉾
山鉾巡行で先頭に立つ長刀鉾は「動く美術館」と呼ばれ、豪華な金箔の鯱鉾と水引が正面の屋根に飾られ、江戸時代の著名な画家である伊藤若沖のデザインによる鳳凰が後ろに描かれ、14世紀頃の絨毯で作られた「同掛」と呼ばれている長刀鉾が横に飾られています。
また、山鉾巡行のお囃子のリズムは町内によって異なるので、絢爛豪華な長刀鉾の鑑賞と一緒にお囃子の聴き比べも“おつな”楽しみ方ではないでしょうか。
迫力と人気がある「辻回し」
「辻回し」は、山鉾の方向転換です。約10トンある山鉾の向きを変えるために青竹を道路に敷き、その上に水をかけて大勢の曳子が観衆の大きな掛け声と一緒になって方向転換させます。
「辻回し」が見られる場所は、混み合う四条河原町交差点、河原町御池交差点、新町御池交差点の3か所ですが、山鉾巡行が始まる朝一番の四条通り付近もおすすめです。
「辻回し」の見せ場を見たい場合は、2~3時間前までに見物場所の確保が必用ですが確実に良い場所から見たい場合は、後祭の「有料観覧席」の購入がおすすめです。
下調べをして楽しむ祇園祭
京都の祇園祭はたくさんの祭行事やイベントがあるので、さまざまな見所や楽しみ方ができる祭りです。事前に見所や楽しみ方の下調べをして、千余年に渡って受け継がれてきた祇園祭を満喫してみませんか。
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