舞妓さんと会える場所!舞妓さんに会う方法、教えます
永井 雄一
京都の観光について内部の京都人だからこそ知っている情報を分かりやすく発信します。地元のエキスパートだからこその皆さんが知らない京都の中身を分かりやすく解説していきます。
京都大学大学院 経営管理 修了
同志社大学 商学研究科博士課程
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京都観光の定番人気スポットといえば、金閣寺・清水寺・平安神宮といった神社仏閣でしょう。あるいはこれに二条城も加わるかもしれません。
「せっかく京都まで行くんだから、舞妓さんにも会いたい!舞妓さんが見たい!」と考えることはありませんか?
とはいっても、「お茶屋さんは『一見(いちげん)さんお断り』なんだから、自分には縁がないよなぁ」と思う方も多いと思います。
でも実はあきらめることはありません。料亭や旅行会社などが用意している「お座敷遊びプラン」などを利用すれば、舞妓さんと会ってじかに話ができ、余興(ゲーム)なども楽しめるのです。
そしてもうひとつ、忘れてはいけないのが、「都をどり」などのステージです。時期が限られていることなどがネックですが、舞妓さんらが継承してきた文化や伝統、持っている技量や華やかさを楽しめます。
今回は、そんな舞妓さんと会うさまざまな方法を徹底解説します!
目次
街で舞妓さんと会える?
実は思っているほど、舞妓さんを見かけることはない
「舞妓さんに会いたい」と考えてはいても、中には「お座敷遊びまでは要らない。舞妓さんが歩いている姿を拝めればいい。写真の1枚でも撮れれば旅の記念になる」と考える人もいるかもしれません。
京都を舞台にした旅行番組などを見ていると、そこかしこに舞妓さんが歩いていそうなイメージがあって、「写真ぐらいはすぐに撮れそうだ」と考えてしまいそうです。けれど実際のところは、「会える可能性は低く、会えても満足度は低い」です。
さらに、舞妓さんに会えたとしても、彼女たちは意外にもものすごいスピードで歩いています。忙しいのです。
声を掛ける暇もないでしょう。そもそも知り合いでもない相手に急に声を掛けるなど失礼です。写真を撮りたくてもカメラを構える間もなく通り去ってしまいますし、好き勝手に写真を撮っていい相手でもありません。
舞妓さんが通る可能性のある花見小路で、1時間2時間待っても2、3組の舞妓さんらが見られればラッキーな方です。「1人も見なかった」の方が可能性は高いでしょう。
舞妓さんと会える可能性がある場所
お座敷遊びの舞台となるのはお茶屋さんで、舞妓さんのマネジメントをし、家ともなるのは置屋さんです。これらがあるエリアを花街(かがい)といい、京都には五つあります。その花街周辺であれば、見かける可能性があるかもしれません。ですが、ここを舞妓さんらが行き来するのは主にお座敷のお仕事が始まる夜です。舞妓さんに会うため、舞妓さんを一目見るために何時間も待つのは厳しいかもしれません。
参考記事
花見小路
五花街の中で最も規模が大きく、テレビなどで取り上げられることも多いのが祇園甲部です。
その祇園甲部のメインストリートが花見小路。外で待っていて、舞妓さんやそのお姉さん分である芸妓(げいこ)さんに会える可能性が最も高いのはここでしょう。もちろん、見られるという確証はありません。
しかし、花見小路は絶好の撮影スポットです。花見小路の左右には、軒(のき)の低い二階建てで、格子戸や犬矢来があり、窓にはよしずがかかった家が並んでいます。無粋な電柱はとうの昔に取り払われ、路面も石畳になっています。
こんな絶好の観光スポット・撮影スポットを逃すことはありません。「舞妓さんに会う」「舞妓さんの写真を撮る」とばかり考えず、「街の風情を楽しむ」「伝統的な造りの京都の町家を撮る」ということで訪れてみましょう。
この花見小路の中でぜひ見ておきたいのが、お茶屋さんの「一力亭(いちりきてい)」です。省略して「一力」、あるいは歌舞伎の中で登場する名前で「一力茶屋」と呼ばれることも多いです。花見小路の入り口、四条通りと交差するところの角に、土壁の赤と板壁の黒のコントラストになったへいが長々と続いていますから、見落とす人はいないでしょう。
祇園甲部は花街の中でも最も格式が高いとされ、その祇園甲部の中で最も格式が高いとされるのがこの一力です。つまり、「京都でもNo.1のお茶屋さん」ということですね。
歌舞伎でおなじみの演目『仮名手本忠臣蔵』にも登場し、次のような話になっています。
「赤穂藩取りつぶしの後、家老だった大石内蔵助(物語の中では大星由良之助)は京都・山科に移り住み、足しげく一力茶屋に通った。遊興ざんまいの日々であった。これは敵の目を欺き、『敵討ちの意思がない』と思わせるための策略なのである」
ただし、これが史実かどうかはまた別の話です。「内蔵助は所領もたいしたことがなく経営難だった藩の家老。その藩がなくなっての失業中で、最高級店で遊びほうける金などあるはずがない」と指摘する声もあります。
また、同じ祇園甲部では、「富美代(とみよ)」や「廣島屋」が、この一力に次ぐ格式と歴史のお茶屋さんとして知られています。おじゃまにならない程度に、さささっとお店の前ででも写真を撮ってきましょう。
宮川町
祇園甲部と並んで芸舞妓が多く、有名な花街が宮川町。この宮川町のメインストリートでも、舞妓さんと遭遇する可能性はあります。芸舞妓さんの数からしても、会う可能性は花見小路と同じぐらいあるでしょう。置屋が連なる宮川町では、夕方17時~18時頃に、お座敷に行く時の芸舞妓さんがいるかもしれません。
先斗町
花街の一つ、先斗町のメインストリート。鴨川に隣接する風情あるこの通りにも、舞妓さんのお仕事する場所お茶屋や舞妓さんが住む置屋が何店舗かあります。ですので、確証はないですが、お仕事に行く舞妓さんやお仕事帰りの舞妓さんに遭遇する可能性はあります。
ちなみに先斗町は、お茶屋や置屋だけでなく、食事をするごはん屋さんやお酒を飲むバーなどがたくさんあるので、舞妓さんが見れなくても十分に楽しめるでしょう。
変身舞妓と本物舞妓の見分け方
京都には舞妓さんになれる体験「変身舞妓体験」があります。その体験プランでは、舞妓さんの格好をして舞妓さんのメイクをして外に出て歩いたり、写真を撮影したりできます。そのため、昼間に清水寺・高台寺周辺で舞妓さんを見かけることがあります。昼間の時間に白塗り姿で歩いている舞妓さんは、観光客が変身した”変身舞妓”さんであることが大半なのです。
一方で、忙しい舞妓さんは基本的にお座敷とお座敷をタクシーで移動します。変身舞妓さんは散策プランのため、タクシーを使うことはめったにないです。ですので、タクシーに乗っている舞妓さんはほぼ本物と見て間違いないでしょう。
行事の出入りを狙って舞妓さんに会う
舞妓さんに会いたいというのであれば、大きな行事をやっている日に合わせる手があります。
その大きな行事には、たとえば「事始め」があります。お正月に向けて花街の人たちが準備を始めることをいいます。12月の中ごろの決まった日に、舞妓さんらが日ごろお世話になっている人らにあいさつ回りをします。これには、「仕事柄お正月はいつも以上に忙しくなるので、年始のあいさつの代わり」といった意味もあります。
あいさつ先はお茶屋さんはもちろんのこと、お稽古ごとの先生などです。特に多くの舞妓さん・芸妓さんが訪れるのが、京舞の家元・井上八千代さんの稽古場です。祇園甲部の舞妓さん・芸妓さんは全員が八千代さんの弟子なのです。ここで待てば確実に多くの舞妓さんらが見られます。しかも昼間です。
ただし、こういった日は祇園かいわいにアマチュアカメラマンも大挙して押しかけます。舞妓さんらが花見小路などを通りかかると、飛び出していって歩くじゃまになったり、カメラのファインダーばかりのぞいていて、道をふさいでいることに気が付かない人も珍しくありません。八千代さんの稽古場や有名なお茶屋さんの前では、少しでもいいアングルを狙おうと、アマチュアカメラマン同士で場所の取り合いまでやっています。
たしかに舞妓さんらを見ることはできますが、落ち着いて写真を撮るどころではない状況です。
舞妓さんに”ちょっと会えればいい”のなら
本当に「写真の一枚でも撮れれば旅の記念になる」と考えているのならば、「ギオンコーナー」か「舞妓ショー(MAIKO SHOW)」を利用しましょう。どちらも全体的としては「舞妓さんに関するガイダンス」といった内容です。すこしですが舞なども見れ、舞妓さんと一緒の記念撮影もあります。料金も3,000円程度です。
ギオンコーナー
ギオンコーナーは祇園甲部歌舞練場の隣の「弥栄会館」が会場です。12月から3月第2週目までは、金土日祝のみ、それ以外は毎日開いています。ただし、お盆や年末年始などに休演日があります。午後6時と7時の毎日2回公演で、約1時間の内容です。
舞妓ショー
舞妓ショーは京都タワー3階の「関西ツーリストインフォメーションセンター京都」が会場です。このセンターは海外からの訪問者向けの観光案内所ですが、この舞妓ショーは日本人でも参加できます。毎週月水土の15:45~16:30です。
「をどり」で舞妓さんを見る!舞妓さんらの華やかなステージ
舞妓さんらの「をどり」は全部で5ヶ所
花街はそれぞれが自分たちの劇場を持ち、春になると、その劇場で舞妓さんや芸妓さんらが総出で、日ごろきたえた踊りや舞を披露しています。「ステージ」と考えればいいでしょう。お座敷遊びとはまた違った楽しみ方ができます。
年によって多少の違いはありますが、期間と会場は次のとおりです。
・祇園甲部=「都をどり」 4月の1ヵ月間 祇園甲部歌舞練場
・祇園東=「祇園をどり」 11月上旬の10日間 祇園会館
・先斗町(ぽんとちょう)=「鴨川をどり」 5月のほぼ1ヵ月間 先斗町歌舞練場
・上七軒(かみしちけん)=「北野をどり」 3月下旬から4月上旬の半月間 上七軒歌舞練場
・宮川町=「京をどり」 4 月上旬の半月間 宮川町歌舞練場
おおまかにいえば、祇園甲部・先斗町などの4つの花街は四条河原町から八坂神社にかけての繁華街の一角やすぐ近く、上七軒だけ離れていて北野天満宮の近くです。
→舞妓さんの踊りをプライベートな空間で楽しむ「一見さんおこしやす 舞妓遊びプラン」の詳細はこちら
迷うようならば「都をどり」
どこがおすすめかは非常に難しいです。まずは、自分が旅行を考えている時期に開かれているものから選びましょう。また、旅行中のスケジュールがタイトならば、ステージの開演時間との兼ね合いも考える必要があります。いずれも各花街のホームページ(HP)で時間や内容が確認でき、予約もできます。
それでも、どうしても「ひとつだけ選ぶ」というのならば、祇園甲部の「都をどり」でしょう。祇園甲部は五花街の中で最も格が高いとされているだけではなく、出演する舞妓さん・芸妓さんの数も多くて華やかです。
また、先斗町の「鴨川をどり」や上七軒の「北野をどり」は、「出演者の数こそ多くはないが、ひとりひとりの技量が高い」として根強い人気があります。
「○○をどり」以外でのステージ
「○○をどり」以外では、先斗町の「水明会」、上七軒の「寿会」などのように、期間を短くし、演目の趣向を変えてのステージもあります。「○○をどり」とは時期が合わないようならば、こちらもチェックしてみましょう。
“一見さんお断り”実際にお座敷遊びをするには
お金を払って舞妓さんに確実に会う方法が”お座敷遊び“です。このお座敷遊び、してみたいとは思っても「いったいくらあればいいのだろうか?」「どうすれば遊べるのか?」と気になってくる人もいるでしょう。
料金は「実際に遊んでみないと、いくらになるかわからない」といったところです。料金表が公開されているわけではありません。
ちなみにお金がかかる項目としては、「座敷代(部屋代)」「舞妓さん・芸妓さんの料金」「仕出し代(食事代)」「飲み物代」です。また、舞妓さんらへの心付け(チップ)も欠かせません。
そしてそもそも、「どうすれば遊べるのか?」という疑問。舞妓さんとお座敷遊びをするお茶屋さんは「一見さんお断り」です。知人・友人にそのお茶屋さんのなじみ客がいて、その人が紹介してくれない限り利用できません。
具体的な支払額が漏れてこないのは、おそらくはなじみ客が「お座敷遊びにかかったお金のことなど、世間に向かって語るのははしたない」と考える人ばかりだからでしょう。こういったところをみても、「お茶屋遊びをするお客の中に加わるには、それなりの“資格”は必要そうだ」と感じます。
参考記事
一見さんでも大丈夫!舞妓さんと確実に会えるお座敷プラン
一見さんではない観光客の皆さんでも舞妓さんと確実に会える方法があります。それが「お座敷体験プラン」です。このお座敷体験プランは、各料亭などが行っているサービスで、“会う方法が分からない”舞妓さんと気軽に遊べて大変貴重な体験ができます。一見さんお断りなお茶屋遊びと違い、値段も全部決まっており、提示されているので安心して遊べます。
お座敷プランを提供しているお店を紹介します。
祇園はやかわ
「祇園はやかわ」は、京野菜を使った京都祇園の料亭です。芸妓・舞妓さんを呼ぶことができるので、お座敷体験にもオススメです。場所は、多くの観光客でにぎあう花見小路から徒歩3分のところにあり、まさしく祇園の料亭です。
季節によって変わるこだわりの料理が提供されています。
芸舞妓さんを呼んでの「お茶屋遊び」が人気であり、料金プランは、料理あり・料理なしの二つのプランがあります。
料金体系は以下のようになっております。
料理ありの場合
お花代 40,000円+食事代 10,000円〜30,000円(/人)+飲み物代+税・サービス料
(席が2時間半、舞妓・芸妓が2時間のご用意)
料理なしの場合
お花代 40,000円+飲み物代 5,000円(ワンドリンク付)(/人)+税・サービス料
(席、舞妓・芸妓ともに2時間のご用意)
「祇園はやかわ」でのお座敷体験のメリットは、前日でも予約ができることです。急な予約にも対応いただけます。
昼:11時30分~LO13時30分
夜:17時00分~LO21時30分
定休日 不定休
個室4室・1名様から12名様(南店は最大40名)までご利用可
カウンター4席
新門荘
新門荘は、祇園白川に位置する旅館です。旅館といっても、食事だけのプランや舞妓とお座敷体験を楽しむ「舞妓と京の雅プラン」など、多種多様なサービスが人気です。
人気の「舞妓と京の雅プラン」の料金体系は、
2名の利用で32,000円(税抜き、夕食代+舞妓さんのお花代)となっており、人数に応じて、一人あたりの料金が安くなっていく形です。
舞妓在席が60分ということから、料金は他の「舞妓お座敷体験」と比べて比較的低めの設定になっております。
周辺には、鴨川・花見小路などが位置しており、観光のあとのお座敷体験としておすすめです。
・時間:17:30~21:00
・定休日:不定休
八坂通り 燕楽(お座敷体験宴)
八坂通りの「燕楽」は八坂通りにあり、祇園から徒歩5分です。おでんや季節の食材を使ったお料理が中心で、生麩や湯葉など京都らしい食材が味わえます。
コース料理を堪能しながら舞妓さんとお座敷遊びが体験できる「お座敷体験プラン 宴-UTAGE-」を楽しめます。
料金は4名以上のご利用でお1人様25,000円(税込)で、3名様は35,000円(税込)、2名様なら39,000円(税込)です。コース料理と飲み放題が含まれているため、大変お得なプランです。
また、地方さんを呼ばなくてもお座敷遊びができるので、一般的なお座敷体験よりも非常に安く、しかも料金体系が明瞭なので安心して楽しめます。
一見さんでも参加が可能で、会食・接待での利用が人気です。写真や動画の撮影も自由にでき、京都での思い出もしっかり残せます。
11時から20時の間で好きな時間帯を選べるため、接待などの前後の予定に合わせて予約できます。
清水寺や建仁寺の南門に近く、最寄り駅の京阪電鉄本線「祇園四条駅」から徒歩約10分、「清水五条駅」からは徒歩約11分と好アクセスです。
・定休日:なし
・営業時間:11:00〜20:00(お座敷体験)
・席数:最大24名様、個室あり
自分に合った方法で舞妓さんに会おう
せっかく京都に行くのなら、京都の舞妓さんに会いたい。そう思う方は多くいらっしゃると思います。通りすがる舞妓さんを一目見るのも、舞妓さんに気軽にちょっとだけ会ってみるのも、がっつりと舞妓さんと遊ぶのも、京都ならではの体験です。自分に合った方法で、ぜひみなさんも舞妓さんに会ってみてはいかがでしょうか。
本物の舞妓さんとゆっくりお話をするなら
今回の記事では、舞妓さんと会える方法として、花街を散策、ステージを観に行く、お座敷体験をする、などを挙げさせていただきました。
しかし、やはり舞妓さんと確実に、かつ近い距離で舞妓さんと触れ合うのであれば、お座敷体験をするという方法をオススメしたいです。
「お座敷体験プラン 宴-UTAGE-」では、そのような機会をシンプルな料金体系で、かつお客様に合わせた時間で提供させていただいております。
ぜひ、検討してみてください。
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京都大学大学院 経営管理 修了
同志社大学 商学研究科博士課程