【保存版】京都で必ず行くべき石庭5選
永井 雄一
京都の観光について内部の京都人だからこそ知っている情報を分かりやすく発信します。地元のエキスパートだからこその皆さんが知らない京都の中身を分かりやすく解説していきます。
京都大学大学院 経営管理 修了
同志社大学 商学研究科博士課程
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京都のわびさびを感じられる場所と言えば、やはり「石庭」。
テレビや教科書などで一度は目にしたこともあるとは思いますが、実際に訪れてみるとその空気感に時間を忘れるほど。
京都にはたくさんの石庭があり、その中でも今回は京都在住の永井が5つ厳選いたしました。
一番有名な「龍安寺」の石庭はおそらくどこかで目にしたことがあると思います。
その龍安寺を中心にその他のおすすめの石庭も、周辺の観光情報とともに紹介していきます。
目次
石庭といえば龍安寺!
龍安寺は、京都市の北部にある日本を代表する石庭を持つ日本を代表するお寺です。周辺には、金閣寺や北野天満宮があり、京都の中でも、古都を感じさせる空気が流れている地域にあります。
龍安寺の石庭の歴史は約520年。応仁の乱でお寺が焼失した後、1499年に方丈を再建した際に石庭も築造されたと言われています。
しかし、その作られた理由や作庭者もわかっていないことから、さまざまな謎や憶測が生まれ、それが今でも多くの人を魅了する要素の一つになっています。
龍安寺の石庭のスタイルは、水を使わず山や川を表現する「枯山水(かれさんすい)」。庭のそばで心を静め目を瞑り、そこにはないはずの川のせせらぎや自然、また世界や宇宙までもを感じるのが禅の世界での美徳ともされています。
手が届くくらいに目の前に広がる長方形の石庭は、お堂の縁側に座って鑑賞するのがおすすめ。
美しく描かれた「砂紋」は実際の川とはまた違う独特の空気感を漂わせ、わびさびの世界を感じさせてくれます。
春には石庭にかけてこうべを垂らす名物の大きなしだれ桜が圧巻。秋には真っ赤な紅葉、夏には新緑。雪が降ると砂紋に白い模様が浮かび上がり、四季折々の表情を楽しむことができます。
龍安寺の歴史
お寺自体が建てられたのは1450年。室町幕府の官僚であった細川勝元が妙心寺の僧 義天玄承を開山に迎え入れ創設しました。
しかし、1467年から始まった応仁の乱により焼失。再建後1797年にも火災で焼失しており、今では資料なども残っておらず、建造や造園に関する情報はほとんどありません。
石現在の方丈は火災後 竜安寺の境内にある西源院より移築したものです。そばにある「鏡容池(きょうようち)」には非公開ではあるものの「真田幸村」の墓もあるとされています。
龍安寺石庭の謎
石庭には大小15個の岩が一見無造作に配置してあるのですが、必ずどれかの岩が他の岩に隠れ、最大でも14個しか見えないようになっています。
作者やその意図も不明なため、謎が謎を呼んでいるのですが、有力な説としては「七五三の岩」と言われる所以です。
東洋では奇数は縁起の良い数字とされていて、岩は左から大きく7つ、5つ、3つと別れて配置されており、また「15」という数字は「完全」を意味しているとも言われ、どこから見ても14個しか見えないことから「完全ではない自分が今存在できていることへの感謝」を感じられるように、という意味ではないかとも言われています。
この謎については、答えがないので、みなさん自身で考えてみても面白いかもしれませんね。
龍安寺の湯豆腐
龍安寺を訪れる際に是非押さえておきたいのが境内にある西源院の湯豆腐です。
名物の「七草湯豆腐」はその名の通り豆腐の他に7つの具材が入っていて、コクがあり口に入れるとふわっと溶ける豆腐が体も心も温めてくれます。
日本庭園を眺めながらのゆったりとした食事はまさに京都満喫の時間です。
京福電鉄「龍安寺駅」より 徒歩7分
市バス 「龍安寺前」下車すぐ / 「立命館大学前」より 徒歩7分
龍安寺
3月1日-11月30日 8:00 – 17:00
12月1日-2月末日 8:30 – 16:30
拝観料:大人・高校生 500円 小・中学生 300円
西源院 湯豆腐
10:00-17:00 LO16:30
湯豆腐のみ ¥1,500 精進料理とのセット ¥3,300
桜や紅葉などの混雑シーズンは、必ず予約をしてからご訪店下さい。
電話番号: 075-462-4742
京都に行く際は必ず訪れたい「龍安寺」。まさに想像する「The 京都のお寺」とっても過言ではありません。
禅の空気に触れ、石庭の景色に想いをめぐらせ、拝観後はどこか心がすっきりと洗われ満たされたよう。
ゆっくりと過ごされたい場合は、平日の朝早くに訪れるのがおすすめです。
石庭?枯山水?その違いは・・
ここで閑話休題。みなさんは「枯山水」という言葉を聞いたことはあるのではないでしょうか。次の石庭を紹介する前に一旦、説明させていただきます。
結論からいえば、今日この記事で紹介させていただく石庭は、全て枯山水です。枯山水とは、日本庭園の様式の一種で、通常の日本庭園から池の水を無くしたものと考えれば、わかりやすいです。その枯山水の中で、さらに石だけで、美を表現したものが、石庭という認識です。もちろん、厳密な定義はなく、人によって認識が変わる部分は、ありますが、この記事では、その前提に立って紹介していきます。
今まで、京都の石庭の王道について紹介してきましたが、京都には他にもたくさんの素晴らしい石庭があります。それらを紹介していきます。
銀閣寺
銀閣寺は、京都市の東側に位置する、日本を代表する書院造りのお寺です。銀閣寺は、金閣寺と共に有名ではあるのですが、意外にも石庭にはあまり注目されていません。石庭を散策すると一味違った観光体験が得られるでしょう。
方丈から鑑賞できる広い石庭は銀沙灘(ぎんしゃだん)と向月台(こうげつだい)と呼ばれる特徴的な砂盛りからなり、現代の形になったのは江戸後期になってからとされていて、枯山水の石庭とは一味違った印象です
。
方丈から見る石庭と奥の木造「慈照寺観音殿」の景色は、日本のお寺ならではの奥ゆかしさが感じられます。
冬は、周りの松の木と観音殿の屋根そして石庭が白く彩られ、視覚的にも静けさを感じられるようです。
南禅寺へ続く「哲学の道」の周辺にはおしゃれなカフェが沢山。
「よーじやカフェ」でカプチーノを頼むと、ラテアートでよーじやのマークである女性の顔が描かれ、飲むのが少しもったいないくらいですが、お抹茶ロールなどの和スイーツと一緒に試してみてはいかがでしょうか。
市バス「銀閣寺道」下車すぐ / 「銀閣寺前」より 徒歩5分
3月1日-11月30日 8:00 – 17:00
12月1日-2月末日 9:00 – 16:30
拝観料:大人・高校生 500円 / 小・中学生 300円
年中無休
特別拝観時は時間、料金が異なることがあります。
建仁寺
建仁寺には2つの石庭があり、「大雄苑(だいおうえん)」と呼ばれる枯山水式庭園は1940年(昭和15年)に、「〇△☐乃庭」は2006年(平成18年)に造られました。
大雄苑は中国の百丈山の眺めを模して造られており、いくつかの岩は雲海から顔を出す山々とも言われています。左右に流れるように描かれた砂紋、奥の法堂と周りの緑があいまって、おしゃれな絵画のようです。
廊下をあるいて眺めるのも、少し座ってくつろぐのもよいでしょう。
禅宗の世界では、地☐、水〇、火△は自然の三大要素。〇△☐乃庭は「自然の恵みに感謝する」という教えを表現していると言われています。
真ん中には砂紋で描かれた〇、左には少し盛り上げて砂が敷かれた△、右には井戸の縁である⬜︎が見てとれ、こじんまりとした石庭は可愛らしさがあります。
建仁寺の近くで是非訪れて欲しいのが、弥栄会館にある「ギオンコーナー」。
なかなかお目にかかれない舞妓さんの京舞や、華道、雅楽、など7つの伝統芸能を約1時間のダイジェストで鑑賞できます。
その後は実際に舞妓さんが働く祇園を散策し、京都の空気にどっぷり浸かってみてはいかがでしょうか。
京阪電車「祇園四条駅」より 徒歩 7分
阪急電車「河原町駅」より 徒歩10分
市バス「東山安井」 徒歩5分/「南座前」より 徒歩7分
3月1日-10月31日 10:00 – 16:30(17:00閉門)
11月1日-2月末日 9:00 – 16:00(16:30閉門)
拝観料:大人・高校生 500円 / 小・中学生 300円
南禅寺
大きな方丈庭園は建築家「小堀遠州」の設計による江戸時代初期の代表的な庭園で、石庭は奥の東山と建物とが一体化して見えるように作られています。お庭だけでなく、視界に入る全ての風景を鑑賞できる壮大な作品と言えるしょう。
小方丈庭園は「如心庭」と呼ばれ、岩が名前の通り「心」の字のように配置されています。1966年(昭和41)に「心を表現せよ」という指導のもと造られたこの庭園は、どこかシックで落ち着く雰囲気になっています。
南禅寺に訪れる際に是非寄って頂きたいのが、近くにある「無鄰菴(むりんあん)」。
明治に建てられ、今では国の名勝に指定されているこの別荘は、木造の茶室とレンガ造りの洋館が広いお庭の中に立っており、当時の「粋」と言われました。
穴場の静かなお庭で明治時代の素敵な時間を過ごしてみてください。
地下鉄東西線 「蹴上駅」より 徒10分
市バス 「東天王町」または「南禅寺・永観堂道」より 徒歩10分
12月1日-2月末日 8:40 – 16:30
3月1日-11月30日 8:40 – 17:00
拝観受付は拝観時間終了の20分前まで
年末(12月28日~31日)は一般の拝観不可
拝観料: 一般 500円 / 高校生400円 / 小・中学生 300円
東福寺
東福寺の庭は昭和の名作庭家 重森三玲により造られました。
一番大きい南庭は圧巻。直線と円形の砂紋が組み合わせられた広い庭には、岩の他にも苔や松が配置されていて、中国の山々や島や海を表しているとされており、とても壮大な印象です。
6mもの長い石を寝かせておく手法は古庭園には見られず、現代の庭ならではの独特な雰囲気を演出しています。
中でも注目して頂きたい東庭は、7つある円柱の石が星座北斗七星の並びになっており、周りの白砂は天の川を表していて、なかなか他では見ない驚くようなモダンな作りになっています。
奥には緑の綺麗な苔が一面に広がっており、小さな空間の中に静と動を感じることができます。
他にも、東福寺には少し変わったモダンなお庭が多いので、観光のアクセントに是非訪れてみて下さい。
モダンなお庭の後は、ゆったりとした時間を過ごせる「雲龍院」がおすすめです。
れんげの間の障子には「色紙の窓」があり、椿の窓、灯篭の窓、紅葉の窓、松の窓と呼ばれるそれらの4
つの窓は、京都のわびさびを一度に感じることができ、四季折々楽しめます。
京阪「東福寺駅」より 徒歩10分
JR「東福寺駅」より 徒歩10分
市バス「東福寺」より 徒歩4分
4月 – 10月末 9:00 – 16:00 16:30閉門
11月 – 12月初旬 8:30 – 16:00 16:30閉門
12月初旬 – 3月末 9:00 – 15:30 16:00閉門
拝観料:大人 400円 / 小中学生 300円
最後に
以上、京都の石庭について紹介しました。これをきっかけに、少しでも石庭へ訪問する観光客が増えれば、京都好きの筆者としても嬉しいです。
「京都石庭巡り」などのツアーを企画しても、面白いかもしれませんね。オススメです。
京都で忘れられない体験をするなら
当社では、舞妓お座敷体験“Enchanted Time with Maiko”を主催しています。
当イベントでは、比較的リーズナブルな 料金で、料亭での舞妓お座敷体験を提供しており、
一見さんのお客様であっても舞妓さんの演舞を見ながら、本格日本料理を楽しむことができます。
また、舞妓さんとの歓談の時間や、お座敷 遊びのお時間もございます。
舞妓さんと一緒に優雅で楽しい特別な時間を過ごして見ませんか?
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京都大学大学院 経営管理 修了
同志社大学 商学研究科博士課程