1. 「舞妓」と「芸妓」違いを徹底解説!

「舞妓」と「芸妓」違いを徹底解説!

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Mayu Inayama

年間200日ほど、京都を訪問している大学1年生です。京都のグルメ・観光に詳しく、ガイド経験もあります。 語学や経営学に興味があり、英検準1級・簿記3級を保持。 本サイトでは、今までの自分の経験を活かしながら、京都の見どころに関する情報をお伝えしていきます!

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日本の古き伝統ある文化である、舞妓や芸妓は京都発祥です。現在は日本各地で活躍しており、花街を歩いている芸者を見たことがある人もいるかもしれません。

今回は、「舞妓と芸妓の違い」に焦点を置き、2つを様々な観点から比較して徹底解説します!

あなたもこの記事を読めば、芸者の文化を理解できるはずです。ぜひ参考にしてみてください。

 

舞妓と芸妓の基本情報


 

 

まずは、「舞妓」と「芸妓」それぞれについて簡単に解説します。

 

舞妓とは

舞妓とは、15才〜20才ぐらいまでの女性で、芸を目指し修行している者を指します。唄や舞などの芸事で客をもてなすことが主な仕事です。

芸妓とは

芸妓とは、20才以上かつ、舞妓としてお座敷での振る舞いが適当と認められた女性のことを言います。芸事を仕事とし、給料を得て一社会人として自立した生活を送っていることが舞妓との違いです。

舞妓と芸妓、地方ごとに呼び方が違う?

関東地方では、芸妓を「芸者」、見習いを「半玉」と呼びます。「半玉」は「玉」代と呼ばれるお給料が芸妓の「半」分という意味だそうです。一方で、関西地方では、芸妓を「芸子」、見習いを「舞妓」と呼びます。地域ごとに、呼び方が大きく異なるのは興味深いポイントですね。

 

 

舞妓と芸妓の違いを詳しく解説!


 

ここからは、舞妓と芸妓の違いについて6つの項目を徹底比較していきます!

 

 

髪型

 

舞妓と芸妓は同じ髪型をしているように見えますが、大きく違う点があります。舞妓は自毛で日本髪を結っているのに対し、芸妓はカツラをかぶっています。また、髪型の種類も異なっており、舞妓は「割れしのぶ」、2〜3年経つと「おふく」という髪型へと変化していきます。

 

 

割れしのぶ・おふくについては、「美容室ビューティーもとひろ」さんの動画がおすすめです↓

 

 

 

つづいて、「かんざし」についてです。

舞妓は子供らしさやかわいらしさが求められるので、色鮮やかで豪華なものを身に着けますが、芸妓は大人で女性らしさを求め、シンプルなかんざしをつけています。

 

さらに、かんざしの種類は季節ごとによって変化します。1月は、松竹梅や鶴といったお正月にまつわるもの、2月は梅花、3月は菜の花、水仙、牡丹です。4月になり春を迎えると桜、5月はあやめ、菖蒲、藤、6月になると紫陽花、柳を身に着けます。夏の7月は祇園団扇、金魚、8月になるとすすき、朝顔、そして9月になり秋に入ると桔梗、萩となります。10月は、11月は紅葉、そして最後に12月を迎えると、まねき・餅花を身に着けます。

舞妓や芸妓は髪を横に広く結うため、一般的なかんざしと比較し、横に長いものを使用します。

 

かんざしのイメージはこのような感じです↓

 

 

かんざしについては「ならまち花あかりチャンネル」さんの動画が」おすすめです↓

着物

 

髪の毛につけるかんざしが、芸妓になるにつれて大人らしいものに変化していくように、着物の柄も、落ち着いていきます。舞妓の着物の色は鮮やかで、赤やオレンジ、ピンク、黄色などが多いですが、芸妓は、黒や青色の着物を着ます。また、舞妓は長振袖で約7mのだらり帯をつけますが、芸鼓は一般の着物と同じようなお太鼓を結ぶことも違いの一つです。

 

以下のイラストのように、舞妓は鮮やかな色の着物を、芸妓はシックなカラーの着物を身に着けます。

 

 

 

以下イラストでは、左がだらり帯、右がお太鼓を示しています。だらり帯は、帯が下に長いのに対し、お太鼓は短くコンパクトに括られていることが分かります。

 

 

 

舞妓の着物イメージはこちら↓

https://www.instagram.com/p/Cy_7pOISeon/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=ODhhZWM5NmIwOQ==

 

芸妓の着物イメージはこちら↓

https://www.instagram.com/p/CzwMadmPJFY/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=ODhhZWM5NmIwOQ==

 

さらに、一年中同じ種類の着物を着ていると、温度調節などが難しいので、時期によって着物の素材を少しずつ変えています。寒い冬の時期である12月〜3月は袘ふきに綿の入った「人形付」、4月、11月は人形付から下着をとった「一ツ綿」、暖かい5月、6月、9月、10月は袘ふきに綿の入っていない「単衣袷」、暑い日が続く7月、8月は「夏物」と呼ばれる絽ろや紗しゃといった薄い着物を着ます。

着物の柄は時期によって変わることが多く、かんざしと同じような模様で構成されています。春は桜、藤、牡丹、菖蒲、夏は紫陽花、朝顔、撫子、桔梗、波 、秋になると紅葉、ススキ、萩、うさぎ、ブドウ、冬は雪、椿、菊、松竹梅などです。

お化粧

舞妓と芸妓ではお化粧にも細かな違いがあります。

舞妓は子どもっぽいお化粧が求められるのに対し、芸妓は大人で女性らしいお化粧をします。さらに若い舞妓は、口紅を下唇だけに塗っているのですが、成長につれ、口紅を上唇にも塗るようになり、目の上にアイラインを引くようになります。

居住地

舞妓は、置屋と呼ばれる所属事務所のような場所に籍を置き、そこで暮らしています。芸鼓になると、置屋から自立し、それぞれのを持つようになる人が多いです。フリーランスのようなイメージですね。

置き屋は普通の建物と同じで、周りの家と似ているので見つけにくいです。特に大きな看板や表札はなくシンプルな佇まいをしています。

 

置屋のイメージはこちら↓

https://www.instagram.com/p/CkB8ZpZS6vu/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=ODhhZWM5NmIwOQ==

 

 

仕事内容

 

舞妓は、宴席で歌や踊りなどの芸を行うことが中心です。芸妓も舞妓と同じく、芸事を行いますが、一人前であることからプラスaで宴席を客観的に見て行動することも求められます。また、芸妓は舞妓と違い、「舞踊」や「三味線」など、自分が披露する専門分野を決めることが出来ることも特徴です。

禁止事項

 

舞妓は、見習いであるため、芸妓に比べさまざまなことを制限されています。

まず、携帯電話は人前でできるだけ使わないことです。また、歩きながら会話することも制限されています。さらに、コンビニ、ファーストフード店などの飲食店、カラオケなどの娯楽施設へは出入り禁止です。舞妓は、普段から、日本髪と着物で過ごしていることもあり、「舞妓としてのイメージが崩れること」も制限されています。一方で、芸妓は、普段の私生活における服装は自由。そのため、特に私生活に制約はありません。

 

 

舞妓や芸妓になるためには?


 

 

冒頭にも記載したように、芸妓になるためには、舞妓としての修行を終えなければなりません。以下では、舞妓になるため、また舞妓から芸妓へのステップを紹介します。

 

舞妓になるまでの道

 

舞妓になるためには、お世話になる置屋さんを探す必要があります。置屋さんとは舞妓にとっての所属事務所のような場所です。現在は、置屋のホームページや電話番号から問い合わせることができるようになっています。しかし、舞妓になるためには、ある程度の容姿、年齢条件、身長制限などがあり、誰でもなれるものではありません。

 

舞妓から芸妓になるには

 

芸妓になるためには、舞妓として約5年間の修行を積むことが必須です。舞踊や唄、三味線などの「芸」が一人前になり、芸妓として認められた後、舞妓を卒業することができます。芸妓になると、お座敷でお客様から頂く料金の一部を賃金として得ることができるようになります。

 

 

舞妓や芸妓で有名な地域3選


 

舞妓や芸妓は全国に存在しています。舞妓のルーツが、水茶屋で参拝客にお茶や団子をふるまっていた女性であることから、「お茶」で有名な地域に多くの舞妓や芸妓が暮らしているのです。以下では、現在も舞妓や芸妓の文化が特に栄えている町を3つ紹介していきます。

 

京都府

京都における舞妓の歴史は日本一長く、約300年前から舞妓が存在していたといわれています。北野天満宮や八坂神社の門前町にあった水茶屋が始まりの場所だとされており、現在も250名ほどの舞妓・芸妓が活躍していることから、「芸者」というと「京都」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

 

静岡県

静岡県はお茶や温泉街で有名な町の一つです。特に、熱海には現在も約100軒ほどの置屋が残っており、120名ほどの舞妓・芸妓が活躍しています。

 

石川県

石川県金沢市には、ひがし・にし・主計町の三つの茶屋街があり、そこで活躍する芸妓を「金沢芸妓」とも呼びます。石川県には、なんと舞妓は存在せず皆芸妓であることが特徴です。県内では三茶屋街のお茶屋の廃業を防ぐために、芸妓に奨励金を給付したり、三味線や太鼓などの楽器をはじめ、かつら、扇子や足袋などの道具にかかる維持費を支給するなどの取り組みも行われているようです。

 

 

舞妓や芸妓に会える方法や食事ができる場所を紹介!


 

 

ここまでに舞妓や芸妓に関してさまざまな違いや特徴を紹介してきましたが、いかがでしたか?さらに、芸者さんについて興味を持った方もいるかもしれません。

最後に、実際に私たち一般人が、舞妓や芸妓と関わる方法を紹介します。

 

4大「をどり」を見に行く

 

これは、舞妓を見る上で1番リーズナブルな方法かもしれません。

毎年3月下旬から5月にかけて、たくさんの舞妓が舞踊を披露する「をどり」が京都で行われます。4大をどりと呼ばれる「都をどり」「鴨川をどり」「京をどり」「北野をどり」があり、一般的な価格としては5000円前後で、美しい舞妓の鑑賞を楽しむことが出来ます。

 

をどりのイメージはこちら↓

https://www.instagram.com/p/Czn6daPrYnb/?utm_source=ig_web_copy_link&igshid=ODhhZWM5NmIwOQ==

 

 

をどりについては「都をどり」さんの動画がおすすめです↓

 

花街を歩く

 

花街を歩いていると、運が良ければ舞妓や芸妓に会うことができます。

声をかけてはいけないという決まりはありませんが、普段着姿の際は、生活やプライベートを妨げないという意味でも、声かけは控えるべきでしょう。

正装の場合は、迷惑にならない程度に写真撮影をお願いすることも可能です。フレンドリーに接してくれる舞妓や芸妓も多いようで、多少会話も出来るかもしれません。

 

 

以下では、京都の代表的な五花街を、筆者が散策した感想を紹介します。

京都には、「祇園甲部」「宮川町」「先斗町」「上七軒」「祇園東」の5つの花街があり、総称して五花街と呼ばれています。

八坂神社の門前に「祗園甲部」「祗園東」鴨川の流れに沿って「先斗町」「宮川町」北野天満宮の近くに「上七軒」といった位置関係です。

「祇園甲部」

祇園甲部は、京都府東山区にある、京都最大の花街です。江戸時代初期に八坂神社の門前で水茶屋を営業したのが始まりで以後、花街として発展し正式に許可されました。江戸末期にはお茶屋が500軒、芸妓、舞妓、娼妓合わせて1000人以上いたといわれています。毎年春には、都をどりが開催されるようです。

散策中には、置屋へ帰る途中の2人の舞妓さんにすれ違いました。どちらも和やかな雰囲気で楽しそうに話しておられ、舞妓さんのオフの姿を少し覗けた気がしました。花街には、都をどりのポスターが多く貼られており、道は石畳になっています。道幅が他の花街に比べて広く開放的なのが特徴です。

「宮川町」

 

宮川町の花街は、お茶屋が並ぶ京都らしい町並みの中にあります。舞妓数は祇園甲部に続いて20人以上の大きい数を誇っています。毎年春には、京をどりが開催され、花見シーズンには鴨川沿いの桜がうつくしく咲くことが特徴です。

道は石畳になっており、宮川町の紋章が描かれた提灯が印象的で、風情ある街並みを感じられました。鴨川に面しているので、夏は涼しく、冬はひんやりとした空気が流れています。

「先斗町」

 

先斗町の花街は、三条通を一本南に入った通りから、四条通まで南北に続く500メートルの通りです。規則的に配置された玄関戸、繊細なスケール感が特徴的で、京都において有数の文化・遊興の場所として発展してきました。

近くには鴨川があり、川に面したお店では、美しい景色を見ながら食事ができるようです。散策中、舞妓さんとすれ違いましたが、食事場まで急いでおられたので声をかけることはできませんでした。茶色で揃えられたお店と白と赤のぼんぼりが特徴的で、京都らしい風情を感じられました。また、道幅が狭く、路地裏のような雰囲気があります。飲食店は、小洒落た店が多く、平均価格は高めです。

「上七軒」

 

七軒は、京都最古の花街です。北野天満宮の東参道に広がるお茶屋の街で、室町時代に北野天満宮の再建の際に残った資材を使って7軒の茶店を建てたことを由来とし、「上七軒」という名前が付けられました。

上七軒では、電柱が地中化されており、道幅が広く開放的に感じました。赤と白の提灯が印象的で、瓦屋根のお家が多く並んでいて風情ある街並みを見ることが出来ます。

「祇園東」

 

祇園東の花街は、東大路通と花見小路の間に位置しており、繁華街に近い場所にあります。祇園東で開催される「祇園をどり」は唯一秋に開催される踊りです。

江戸初期に八坂神社の門前で営業された水茶屋がこの花街の始まりであり、江戸末期にはお茶屋が500軒、芸妓、舞妓、娼妓合わせて1000人以上いたといい、文人や政治家等に愛され大いに繁栄しました。その後、明治14年、祇園甲部から分離独立しています。

観亀神社の赤い鳥居が特徴的で目につきやすく、祇園東を散策して一際印象に残っているスポットです。

 

 

お座敷体験 「宴」

 

本格的に、舞妓と様々な体験を行いたい人は、舞妓との食事プランを予約することをおすすめします。このようなプランでは、演舞・座敷遊び・料理・写真撮影・会話などを一気に楽しめることが特徴です。今回は、京都府のお座敷体験「宴」を一例として紹介します。

 

「宴」では、演舞、料理と飲み物(飲み放題)、お座敷遊び、記念撮影、舞妓さんとの会話などを、1時間45分の食事プラン内で提供しています。価格は、お客様の人数ごとに決まっており、2名の場合51000円/人、3名の場合39000円/人、4名以上の場合29800円/人です。他店と比べ、予約までの手順、コース内容や、所要時間が最初から決まっていることや、価格設定がシンプルで分かりやすいことが特徴です。興味を持った方は、以下のホームページをクリックしてみてください。

 

 

お座敷体験「宴」が気になる方はこちら

舞妓お座敷体験 宴-UTAGE-

 

ほかにも、京都には舞妓との茶道体験や食事プランが多くあるようなので、ぜひ検討してみてください。

 

まとめ


 

本記事では、京都を中心に今現在も活躍を続ける舞妓や芸妓について紹介してきました。

舞妓と芸妓は一見同じに見えますが、身に着けいているものや居住地、仕事内容などを比較すると細かな違いが沢山あり、とても興味深いですよね。

知れば知るほど奥が深い芸者の世界は、これからも日本各地に広がって行くはずです。

あなたも是非、舞妓体験などを通して、さらに芸者文化を学んでみてください。