1. 一度は行ってみたい平等院。見どころを徹底解説!

一度は行ってみたい平等院。見どころを徹底解説!

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永井 雄一

京都の観光について内部の京都人だからこそ知っている情報を分かりやすく発信しています。なかなか知らない京都の中身を分かりやすく解説していきます。

京都大学大学院 経営管理 修了

同志社大学 商学研究科博士課程在籍

ふだん使っている10円玉、じっくりと見たことがありますか?表面の背景に描かれている建物、あの見慣れた建物が平等院鳳凰堂です。

硬貨だけではなく、紙幣や切手などのデザインに平等院は多く採用されており、日本を代表する文化財と評価されていることがこのことからもわかります。

とはいえ、平等院は京都市ではなく、宇治市にあることもあって、実際にはまだ見たことがないという方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回はこの平等院の見どころやおすすめルート、さらにおすすめのお土産を紹介したいと思います。京都市内から少し足を延ばして、平安浄土の魅力を体験してみてはいかがでしょうか。

平等院とは

友達や家族で京都観光、中学や高校の修学旅行、デート・・・京都に行くなら平等院に足を運んでみようと思う人は多いのではないでしょうか?

そんな平等院は、かつて都の中心地で京都の南部に位置する宇治市にあり、ひときわ存在感を放っています。

平等院の歴史

平等院が創建されたのは1052年のことです。平等院が創建されたころ、日本には末法思想が広まっていました。この思想によると、釈尊が入滅してから2000年後、仏法が廃れ、世の中が荒れると言われており、ちょうどこの1052年がその年(末法初年)に当たるとされていました。折しもこの時期、国内には天災や飢饉、疫病などの災難が続き、当時の人々は世の終わりが来ていると考え、来世で救われたいという考え方が広まります。そのため、当時の貴族たちは来世の理想世界である極楽浄土をこの世に出現させようと、寺院を盛んに造ります。

平等院はその中でも、当時の関白だった藤原頼通が作った寺院です。頼通は摂関政治で有名な藤原道長の子どもに当たり、平等院は「宇治殿」と呼ばれる道長の別荘地だったところでした。頼通はそこに平等院という寺を造り、さらに翌年、浄土の世界をあらわす阿弥陀堂を作ったのです。

当時の権力者である頼通が、その財力を尽くして作った極楽浄土の世界。そのため平等院は平安時代の浄土思想を現在に伝える貴重なものと評価されており、1994年にユネスコ世界遺産「古都京都の文化財」の構成要素の一つにも指定されています。

平等院鳳凰堂は2012年から2014年にかけて平成の大改修が行われ、2016年からふたたび拝観ができるようになりました。現在は創建当初の鮮やかな色彩を取り戻しています。

10円硬貨の鳳凰堂と一万円札の鳳凰

昭和26年(1951年)に鳳凰堂が10円硬貨の意匠として閣議決定し、採用されました。

鳳凰堂が十円硬貨に選ばれた理由は、平安時代から現存する希少な寺院であり、建物に特徴があるといったことがあげられます。

 

また、2004年11月発行の一万円札に関しても、福沢諭吉の肖像は変更なしで、裏の絵柄のみキジから平等院鳳凰堂の屋根に立つ鳳凰像のイラストに変更されました。

その理由を、日本銀行の福井俊彦総裁(当時)は「人々に幸せや喜びをもたらすという伝説の鳥が、お札になって世界中に流通すればすてきだと思ったからです」とのように語られています。

平等院の見どころ6選

平等院の敷地内には多くの見どころがあります。現存する世界遺産であるため、当時の雰囲気を味わいながら、時間の許す限り魅力を目に焼き付けてください。

平等院の見どころ①鳳凰堂

平等院と言ったら鳳凰堂は見逃せません。平等院鳳凰堂とは、1053年、平等院創建の翌年に造られた阿弥陀堂のことで、もともとは阿弥陀堂、御堂と呼ばれていました。「鳳凰堂」と呼ばれるようになったのは江戸時代ごろからのようです。

鳳凰堂はいわゆる藤原氏の栄華を今に伝えるほぼ唯一の遺構だと言われています。建物は池の中島に建てられているため、その姿が水面に浮かぶように見えるのが特徴です。まるで極楽浄土の宮殿が池に浮かんでいるように見える造りとなっているのです。さらに晴天の時には池には鳳凰堂の姿が映り込み、幻想的な景色が現出します。

鳳凰堂で見逃せないものとしては、まずは堂内中央にある阿弥陀如来坐像です。浄土思想ではこの阿弥陀如来が往生する人を迎えに来てくれることになっているとか。平安時代後期の有名な仏師である定朝の作で、現存している仏像の中で定朝が作ったものと確証があるのはこれだけだと言われます。そのほか、堂の内部には九品来迎図や極楽浄土図と呼ばれる美しい絵画が螺鈿や極彩色の絵の具で描かれ、透かし彫りの天蓋もあります。柱などにはたくさんの天人や楽器を演奏する童子などが、あたかも往生する人を先導してくれるかのように描かれています。平安時代の人々は自分が往生するときに、極楽からこのような感じでお迎えが来ると信じていたのでしょう。ちなみに平等院ミュージアム鳳翔館には、創建当時の姿をCGで再現したものがあるので、平安貴族が感じた極楽浄土の風景を体験できます。

さらに見落としてはならないのが、鳳凰堂の屋根の上の鳳凰です。現在屋根の上にあるのはレプリカですが、本物は現在平等院ミュージアム鳳翔館にあります。この鳳凰、現在の一万円札の裏面に意匠が使われています。この鳳凰像によって「鳳凰堂」と呼ばれるようになったとも、また鳳凰堂の形が鳥が羽を広げたように見えるからとも言われます。

鳳凰堂、阿弥陀如来坐像、鳳凰、天蓋や壁画などは国宝に指定されています。 

平等院の見どころ②観音堂

現在観音堂がある場所は、平等院が創建された当時本堂があった場所だと言われています。鎌倉時代前期に本堂跡に再建されました。中は非公開となっています。重要文化財に指定されています。

その名の通り、中には平安時代後期に造られた本尊十一面観音立像が安置されていましたが、現在この仏像は平等院ミュージアム鳳翔館にあります。

平等院の見どころ③庭園

1922年に国の史跡・名勝に指定されました。浄土の世界をこの世にあらわした庭園の姿は浄土式庭園と呼ばれます。周辺の阿字池は極楽浄土にある宝池をあらわし、平安時代の歌人・橘俊綱が当代きってのものである、と今様に謡っています。また、阿弥陀堂は池をはさんで西に位置しているため、東岸から阿弥陀像を拝するようになっています。

朝、中央にある鳳凰堂の扉を開くと、池の水に朝日が反射し、それが天井にある円鏡に当たることで中央の阿弥陀如来が美しく照り輝いたのだそうです。その姿はまさに浄土から衆生のところに訪れる仏の神々しい姿に見えたことでしょう。

なお、1990年から行われた発掘調査で、平安時代の州浜が見つかりました。そのため現在では創建当初の姿に復元されています。まさに頼通が見ていた姿が今目の前にあるのです。

平等院の見どころ④梵鐘

寺院の梵鐘といえば、どこにでも当たり前にあるものですが、天下の三名鐘と言われるものがあります。「音の三井寺、銘の神護寺、姿形の平等院」。そう、平等院の梵鐘はその姿の美しさで有名なのです。

梵鐘には銘がないのですが、平等院ができた前後に造られたものと言われています。鳳凰や飛天、獅子や唐草などの文様が浮きあがるように彫刻されています。美しいその姿は国宝に指定されているだけではなく、日本の切手のデザインにも採用されました。ただし、外の鐘楼に置くのは傷みの不安があることから、現在鐘楼にあるものは複製品で、現物は平等院ミュージアム鳳翔館にあります。

平等院の見どころ⑤南門

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表門(北門)と同じ作りの南門です。改修される前までは薄い朱色でしたが、現在では創建当時の鮮やかな朱色に復元されました。白壁のすぐそばに建っておりますので、朱色の南門がより映えて見えます。

秋になると、南門の奥に植えられている紅葉が赤く色づきます。南門の間から見える紅葉が見える位置は写真スポットとしてもオススメです。

平等院の見どころ⑥扇の芝

扇の芝は、源頼政が平家軍に攻められ、最後に自害した場所だと言われています。

扇の芝と言われている理由ですが、源頼政が自害する時に軍扇を広げながら「南無阿弥陀仏」と唱えたからだとされています。扇の芝に訪れることによって何か特別なものが感じられるかもしれないですね。

平等院のオススメお土産

平等院のお土産は平等院ミュージアムの中に位置しているミュージアムショップで買うことができます。普段から使えるようなエコバック、付箋、あぶらとり紙、マグネットなどさまざまなものを取りそろえています。その中からオススメのお土産を紹介していきます。

平等院のオススメお土産①ブックマーカー

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幅広い年代の方から喜ばれるお土産としてはブックマーカーがオススメです。こちらは雲中ブックマーカーです。この種類以外にも鳳凰堂や鳳凰などの柄のブックマーカーがあります。こちらのようなプラスチック製のものではなくではなく、紙のブックマーカーなら5枚組で250円ですので比較的お手頃ですね。

平等院のオススメお土産②雲中トランプ

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普段使わないようなものをお土産にもらっても戸惑うだけですよね?何か面白いものを買って帰りたいと思っている方にぴったりのものがこちらの雲中トランプです。普通の雲中トランプは普通のトランプとは違いカードの真ん中にはこのように像や、鳳凰が描かれています。ご友人やご家族とトランプをされる際に雲中トランプがあればさらに盛り上がるかもしれないですね。

おすすめ探索ルート

平等院を拝観する場合ですが、平等院の表参道を通り、表門から入ると観音堂が見えてきます。観音堂は中を拝観できないので、外から眺めながら阿弥陀堂を目指します。すると目の前に阿字池が広がります。時間があるならば、池を時計回りに回り、阿弥陀堂の正面に出ると、池に浮かぶように見える鳳凰堂の姿を目にすることができるでしょう。

ここで庭園と鳳凰堂の姿をみたら、今度は鳳凰堂のある中島に進みます。中島には橋が二つあるので、その手前からあがります。鳳凰堂の中の阿弥陀如来坐像、可能ならば堂の中まで丁寧に拝観しましょう。平安貴族たちが強く望んだ、浄土の世界がそこには現出しています。

極楽浄土の世界を堪能したら、今度は反対の橋から降りて、池の反対側に移動します。すると見えるのが先ほど紹介した鐘楼です。そのあと、平等院ミュージアム鳳翔館に立ち寄りましょう。ここまで紹介したように、平等院の持つ国宝や重要文化財の多くがこの中に納められています。本物を目の前で見られるチャンスなので、ぜひゆっくりと本物のもつ重みを味わってはいかがでしょうか。 

平等院へのアクセス

平等院のある宇治市は京都市内からは距離があるため注意が必要です。河原町から行く場合一時間ほどかかるため、事前に確認をしましょう。

平等院へ行くためには大きく分けて二つのルートがあります。一つはJRを使う方法、もう一つは京阪電鉄を使う方法です。

JRを使う場合、最寄り駅は宇治駅です。京都駅から奈良線の電車に乗り、宇治駅で降りるのですが、もっとも速いのは「みやこ路快速」です。これは1時間に2本程度走っており、京都駅から17分程度で到着します。

京阪電鉄の場合も最寄り駅は京阪宇治駅です。JRと京阪の宇治駅は、駅名は同じ「宇治」ですが、駅の場所は違います。平等院は宇治川の近くにあるのですが、この宇治川を挟んで二つの駅があるのです。ちなみに宇治橋が架け替えられたときに駅が移設したため、JRの線路は京阪電鉄の宇治駅の駅舎とホームの間を通る珍しい構造になっています。

平等院まではどちらの駅からでも徒歩で10分ほどなので、ゆっくりと歩きながら平等院を目ざしましょう。

平等院の基本情報

【拝観時間】

・庭園

8時30分〜17時30分(受付終了 17:15)

・鳳凰堂内部拝観

9時00分〜16時10分(各回定員20名)

・平等院ミュージアム鳳翔館

9時00分~17時00分(受付終了 16時45分)

・ミュージアムショップ

9時00分〜17時00分

・茶房 藤花

10時00分〜16時30分(ラストオーダーは16時00分)

・集印所

9時00分〜17時00分

 

【拝観料】

大人 600円

中高生 400円

小学生 300円

鳳凰堂内部の拝観には別途チケットが必要です。料金は300円/1名です。

営業時間など随時変更になる可能性もあるので、行く前に icon-external-link 平等院の公式サイトを確認をしておくと安心です。

最後に

10円玉に1万円札、切手と、日本の代表的なものの意匠に使われる平等院。平安時代の絢爛豪華な文化がそのまま今の時代に伝えられてきています。藤原氏の文化ということで、教科書などにも取り上げられているので、写真や硬貨などで見たことがあるという方は多いでしょうが、実物の神々しさはまさに「百聞は一見に如かず」という感じがします。ぜひ平等院で、教科書でしか知らなかった平安貴族の世界を実体験してみてはいかがでしょうか。

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やはり、京都の観光では、王道の寺社は巡っておきたいものです。

また、 icon-external-link 御朱印集めicon-external-link 五重の塔巡りが昨今のブームでもあるので、参考にしてみてもいいでしょう。

王道ですが、 icon-external-link 仏像を拝見しに寺社を巡るのも間違いなくオススメです。