1. 舞妓さんって何者?そのお仕事と生活を紹介します。

舞妓さんって何者?そのお仕事と生活を紹介します。

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永井 雄一

京都の観光について内部の京都人だからこそ知っている情報を分かりやすく発信しています。なかなか知らない京都の中身を分かりやすく解説していきます。

京都大学大学院 経営管理 修了

同志社大学 商学研究科博士課程在籍

 

こんにちは、S-fleage編集部です。今回は、京都の「舞妓」について紹介します。

日本人なら、「舞妓」と聞くとなんとなく顔を白塗りにした優雅な女性というイメージを思い起こすと思います。しかしながら、具体的にどんな仕事をしているのか、その生活の実態はどうなのか、など意外と知られていない部分も多いと思います。

今回は、京都の舞妓さんのお仕事・生活や給与といった部分まで踏み込んで解説していきたいと思います。

読者の皆様のお役に立てられれば幸いです。

 

舞妓さんとは

舞妓

そもそも舞妓さんとはどのような人々のことをいうのでしょうか。

舞妓さんとは、宴会や遊興の場でお酒を注ぎ、会話をして、舞を踊り、時には遊んで花を添える人々のことで、おもてなしのプロと言えます。彼女たちは失われがちな京文化を日々継承しており、日本の宝です。

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舞妓さんの生活とは

では、舞妓さんはどんな生活をしているのでしょうか。

 

 

置屋での生活

舞妓さんとは、置屋と呼ばれる場所で生活しています。

舞妓さんの生活は置屋なしには語れません。

置屋とは、主に仕込みさん・舞妓さんが所属して生活する場のことを指します。

置屋には、単に生活の場としての役割もありますが、そのほかに舞妓さんの見習いとして住み込む「仕込さん」を受け入れ、立派な舞妓としてデビューさせることも役割です。また、舞妓さんとしての年季が明けて、芸妓さんとして独立することになった場合もサポートします。

仕込さんは、中学卒業直後で15、6歳という未成年の女性であるため、置屋の「おかあさん」と呼ばれる女将さんは保護者として責任をもって生活すべての面倒をみます。

いうまでもなく、仕込さんや舞妓さんに、花街のしきたりや礼儀作法を教えるのもおかあさんの役割です。京都の花街の伝統や品格を保ちつづけるには、置屋のおかあさんの力が不可欠です。

さらに、芸舞妓さんは各自が所属している置屋から、お客さんの待つお茶屋へ向かうのですが、ここでも「おかあさん」は、お茶屋からの予約を受けて、芸舞妓の仕事のスケジュール管理全般を担っています。置屋のおかあさんはいわば、芸能プロダクションの社長であり、芸舞妓の母親でもあるといえるでしょう。

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一日のスケジュール

舞妓さんの生活にはこの置屋が中心にあります。

そして以下が大まかなスケジュールになります。

 

▶︎8時頃:起床〜お稽古

舞妓さんは毎朝8時頃には起床し、身支度を整えて舞や三味線、唄のお稽古に向かいます。

お稽古は各花街にある歌舞練場で行われます。いわば舞妓の学校です。宮川町なら”東山女子学園”、祇園甲部なら”八坂女紅場学園”、と呼ばれており、現在は学校法人です。なので学生証もあり、舞妓さん達は学割も使えるそうです。

最近は、外国人観光客も多くなってきてるため、英会話のレッスンを取り入れている場合もあります。

▶︎12時頃:昼食〜休憩・挨拶回り

午前中のお稽古を終えると、置屋に戻って昼食をとります。

午後も引き続きお稽古をしたり、お稽古が休みの日は置屋で自主練習や、少しリラックスする時間をとったりするようです。お稽古の合間には、お世話になっているお茶屋さんや芸妓の「お姉さん」のところへ挨拶まわりをすることも大切な仕事の一つです。

 

▶︎15時頃:お座敷の準備

夜のお仕事に向けて準備を始めます。始めの頃は手間取って1時間以上掛かっていたお化粧も、年数を重ねると40分ほどで完成するそうです。

そして化粧が終われば、着物の着付けです。舞妓の着物は帯が長く女の子一人で結ぶには難しいので、舞妓の着付け専門の男衆さんが着付けしてくれます。その着付けが終われば準備完了です。

また、舞妓さんの髪型は自毛でつくられています。そのため、週に1回は専門の美容室で髪を結い直す必要があります。

 

▶︎18時頃:お仕事

準備が終わればいよいよお客さんが待つ夜のお座敷へ向かいます。お座敷では舞を披露したりゲームをしたり、お客様の宴席を盛り上げます。一つのお座敷は約2時間ですが、売れっ子の舞妓さんはお座敷を掛け持ちします。

 

▶︎1:00頃:帰宅

すべてのお座敷を終えて置屋に戻るのは深夜を過ぎた1時頃。そこから化粧を落としたり着替えたりすると、就寝が午前2時頃になることもめずらしくありません。白塗りや濃い紅などの厚い化粧をこの時間に落とすのですから、肌が痛むため、皆さんスキンケアには力を入れているそうです。

舞妓さんの給料

 

給料

では、実際舞妓さんは、どのような報酬を得ているのでしょうか。

舞妓さんは、芸妓さんになるための修行期間という位置づけであり、給与の支給はありません。

しかしながら、衣食住のすべてとお稽古の費用を置屋が負担してます。

舞妓さんが独り立ちするまで、莫大な資金が必要といわれています。舞妓さんは年季が明けるまで5、6年かけて置屋に返済をします。

なお、おかあさんから毎月1~2万円程度のお小遣いをもらえるので、休日に買い物へ行ったりおやつを食べたりすることができます。


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舞妓さんになるには

舞妓

 

では、舞妓さんになるためにはどのようにすれば良いのでしょうか。

 

まずは仕込みさんとして置屋で働き始める

 

仕込さんとして置屋に入るのは、中学卒業直後の15、6歳のときが一般的です。未成年であるため、両親の許可をとることは不可欠です。

かつては、知り合いの「つて」をたどって置屋に連絡をとることが普通でしたが、近年はインターネット上で、全国から舞妓希望者を募集している置屋もあります。

いずれにしても仕込さんになるのは簡単なことではなく、おかあさんの厳しい目で見込みがあると判断された人にのみ、門が開かれます。

ちなみに現在京都にいる舞妓さんはほぼ地方出身者です。京都出身京都育ちの舞妓さんに話を聞いた事がありますが、置屋のおかあさんの実の娘だそうです。そういう家に生まれなければ、厳しさを知っていることもあり、京都出身で舞妓を目指す人ほぼいないのでしょう。

仕込さんは置屋でどのような修行をする?

仕込さんは、芸舞妓さんよりも早く起きて、朝食の準備の手伝いをします。

洗濯や掃除といった置屋の家事も仕込さんの仕事です。タイミングをみて、おかあさんや芸舞妓さんに京ことばや舞を教わり、またお稽古にも出かけます。

さらに、芸舞妓さんの身支度の手伝いをして、衣装に触れることができます。

お座敷へ向かう芸舞妓さんの荷物をもって随伴するのも大切な修行の一つです。

芸舞妓としての立ち居振る舞いを見たり、お茶屋の女将さんに挨拶をして顔を覚えてもらったりします。お茶屋に送り出したあと、先に寝ることはなく、芸舞妓さんがお座敷から戻るのを玄関で待ち、衣装の片付けをします。

耐え切れずに途中で辞めて置屋を去る人も少なくなく、舞妓さんになるための大変厳しい修行期間といえます。

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お座敷遊びとは?

 

では、実際舞妓さんがどのような仕事をしているのかを見てみましょう。

お茶屋さんのお座敷で舞妓さんと遊ぶことをお座敷遊びといいます。

このお座敷遊びで、演舞を披露したり、お客さんの話し相手になったりします。

一言でいうと、舞妓さんのお仕事とは、プロとして宴会を盛り上げることといえるでしょう。

お座敷遊びでは、舞妓さんの演舞を鑑賞したり、舞妓遊びをします。

 

舞妓さんと遊ぶといくらかかるの?

お座敷遊び

やはり気になるのが、その料金。プロですから当然値は張ります。

大まかに解説しておくと、

・舞妓さんと遊びの料金

座敷遊びには「お花代」「飲食代」「宴会お立替」の3つの料金がかかります。

・お花代:3~5万円

「お花代」は舞妓さん芸妓さんに対しての料金です。一人3~4万円程度。

舞妓さんがお客さんに言う「お花つけておくれやす」は「料金払ってくださいね」という意味だそう。そう言ってやんわりと営業掛けたりもするらしいです。料金払ってください、を遠回しにはんなりと表現するのが舞妓言葉ならではです。

・飲食代(席料含む):1~2万円

「飲食代」は席料や飲んだお酒や食べた食事そのものの料金です。

自分の飲んだ量や食べた量、お店によって変わってきますが全て合わせて一人1~2万円程度。

・宴会ご祝儀お立替:1~2万円 

「宴会ご祝儀お立替」は舞妓さん芸妓さんに踊りを披露して貰った際に払う金額。

芸舞妓さんと遊ぶのであれば、美しい舞を楽しむのは必須です。一人1~2万円程度。

   

計5~9万円

舞妓さんか芸妓さんを一人呼んだだけでも、これくらいの金額はかかります。他にも色々な要素によって、金額は大幅に変わってきますが相場ではこれくらいと言われています。

実際に遊んだ料金

例えば、「舞妓さん」「芸妓さん」「三味線を弾いてくれる地方さん」の3人を呼んで、4人で2時間の宴会をします。その際の請求がこちら。

お花代            : 4万円×3人(芸妓、舞妓、地方)

飲食代            : 2万円×4人(お客様4人)

宴会ご祝儀お立替       : 3万円(芸妓、舞妓、地方)

芸舞妓への心付け(チップ)  : 2万円(芸妓、舞妓)

合計           : 25万円

心付けは必ずいるわけではないですが、お座敷に上がるとお小遣いをあげて喜んでもらいたくなってしまいます。一般人の感覚ではとても出来ない贅沢な遊び方です…。

また、お茶屋に定価は存在しません。料金表も無いのが当たり前。

紳士な遊び方をしてお茶屋の女将さんに”また来ていただきたい”と思われると安くなったり、モラルの無い遊び方をしてお値段が跳ね上がる場合もあるそうです。

また、紹介者の方によっても料金が変わるなど、人によって料金が変わるのが京都・花街の流儀なのです。

京都で実際にお座敷体験をするなら

お座敷体験宴

 

今回は京都の舞妓さんについて紹介しました。

舞妓さんの素晴らしさは、実際に体験してみるとよりわかります。

当社イベント「お座敷体験プラン 宴-UTAGE-」では、

シンプルな料金体系で、美味しいコース料理を囲みながら舞妓さんと歓談をすることができます。

舞妓さんへの質問も気軽にすることができ、あまり知られていない舞妓さんの普段の生活を垣間見ることができます。

舞妓さんと貴重なひと時を過ごしませんか。