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【一見さんOKも】京都・お茶屋さんとお座敷体験プランまとめ

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永井 雄一

京都の観光について内部の京都人だからこそ知っている情報を分かりやすく発信しています。なかなか知らない京都の中身を分かりやすく解説していきます。

京都大学大学院 経営管理 修了

同志社大学 商学研究科博士課程在籍

 

京都のお茶屋さんでは、伝統的娯楽「お座敷遊び」が楽しめます。
そんなお茶屋さんは「一見さんお断り」「料金は言い値」というイメージがあり、お茶屋さんでお座敷遊びをしたくても、敷居が高くてなかなか出来ないという方も多いのではないでしょうか。

今回は、京都の老舗お茶屋さんと、一見さんでもお茶屋さんのようなお座敷遊びが楽しめるプランを一挙にご紹介します

「お茶屋さん」はどんな場所?

「お茶屋さん」や「置屋さん」とはどんな場所でしょうか。
また、お茶屋さんで遊ぶにはどうすれば良いのでしょうか。そんな疑問にお答えします!

 

 

 京都の「お茶屋さん」とは?

お茶屋さんとは芸舞妓さんの手配をして貰い、芸舞妓さんと一緒に遊ぶ「お座敷遊び」が出来る場所のことをさします。お座敷遊びにて提供されるお料理やお酒は料理専門の仕出し屋さんから取り寄せる形になるため、お茶屋さんで料理は作られていません。お茶屋さんの女将さんは、お客様の好みによって料理やお酒を選んだりするそうです。

 

 

 「門前茶屋」が発祥の「お茶屋さん」

「お茶屋さん」は、市内にある神社仏閣の参詣客が立ち寄る「門前茶屋」が発祥と言われています。

当時の「門前茶屋」は、参詣客にお茶やお菓子を提供していましたが、次第に遠方から来る参詣客の疲れをねぎらうために門前茶屋の奥座敷でゆっくり寛ぐ「ご苦労さん」(あるいは「足洗い」)とも呼ばれる今日の「慰労会」のような宴が開催されるようになり、その宴の席で参詣客の疲れをねぎらうために演舞や三味線などを披露してくれる女性も招かれるようになりました。

その後、門前茶屋は、店内にあるお座敷で参詣客をもてなしたりする「ささやかな宴の場」となり、やがて「お座敷」と呼ばれるようになりました。

そしてお茶屋さんは、遊興の案内や手配をする「手配所」としての役割も次第に果たすようになりました。

 

 

「置屋さん」とは?

京都の「置屋」さんは、お茶屋さんに芸舞妓さんを派遣したり、芸舞妓さんが一人前になってお茶屋さんのお座敷に出られるようになるまで、修業をさせながら芸事を習わせたりしている場所です。

「置屋」の経営者は、「お母はん」と呼ばれる女性で修行期間が終わっていない芸舞妓さんと一緒に置屋に住んでいます。

参考記事

置屋って何?舞妓さんが一人前になる為に…

京都・お茶屋さんで遊ぶには

せっかく京都に旅行するからには、芸舞妓さんとお座敷で遊んでみたりしたいですよね。しかし、お茶屋さんの敷居はとても高いようです。

 

「一見さんお断り」の背景

京都のお茶屋さんでは、「一見さんお断り」というお店がほとんどです。
どれだけお金を持っていても権力があっても、一見さんは入店を断られます。

お茶屋さんには、少しでもお客様について理解をして、お座敷で心地よい時間を過ごしていただきたいという気持ちがあることや、「お座敷遊び」文化が常連のお客様たちによって支援されていたりすることから一見さんはお断りしています。

また、昔も今もお客様が「お座敷遊び」の料金を支払わない場合や「お座敷遊び」に呼んだ一見さんのお客様が起こした不祥事は、全てお茶屋さんの責任になってしまいます。

以上のことから、普段からお茶屋さんを利用しているお馴染みのお客様のご紹介がない人は、お客様になれないという「一見さんお断り」の慣習が今でも続いていると考えられています。

→一見さんでもお気軽にお座敷遊びが体験できるプランはこちら icon-external-link 

 

 ふさわしい服装やマナーは?

お座敷遊び」にふさわしい服装は、京都の旅行中であっても出来るだけ上着を着用した正装です。
と言っても、固くなりすぎずに、”いつもの格好より少し上品に”を意識した装いで大丈夫です。
ですが、肌を露出しているタンクトップやショートパンツなど、あまりに砕けた服装はふさわしくないでしょう。お座敷には、最低限の清潔感を保った服装で上がりましょう。

また、お座敷遊びでは最低3つのルールがあります。

 

  1. 芸舞妓さんに触れてはいけません。芸舞妓さんが身につけている衣装はとんでもなく高価なものばかり。顔や身体はもちろん、着物やかんざしなどの装飾品にも絶対に触らないようにしましょう。
  2. 未成年の舞妓さんにお酒を強要してはなりません。舞妓さんは基本的に未成年です。ですのでお酒を飲ませるのは厳禁です。しかし、見た目が幼いという理由からまだ芸妓になっていない20歳をこえた舞妓さんや、20歳以上の芸妓さんとお酒を飲むのは問題ありません。ただし、お酒の強くない芸妓さんもいらっしゃるので、嫌がっている芸妓さんに強要するのはやめましょう。
  3. 嫌がることはしない。当たり前ですが、嫌がることをしてはいけません。撮影も、了承された範囲内で行うようにしましょう。ただ、撮影を断る芸舞妓さんはめったにいないので安心してください。

以上の3つを守って、紳士淑女の態度でお座敷を楽しむことが大切です。彼女たちはお座敷のプロですから、盛り上げるのもお話を聞くのもお手の物です。心地よく乗せられて楽しみましょう。

 

お茶屋さんの料金は?

お茶屋遊びをする為には、いくらかかるのかメニューがあるわけでも無く舞妓さんの住む街やお店、紹介者によって変わってきますので明確な料金はありません

お座敷遊びには「お花代」「飲食代」「宴会お立替」の3つの料金がかかります。例えば、舞妓さんと芸妓さん、三味線を弾いてくれる地方さんの3人を呼んで4人で2時間の宴会をした場合、なんと25万円かかることもあります。詳しくは舞妓さんの料金についての記事をご覧ください。

参考記事

舞妓の料金っていくら?謎に満ちた舞妓の料金と遊び方!

 

→シンプルな料金体系で一見さんでもお座敷体験ができるプランはこちら  

一見さんお断りの京都の老舗・お茶屋さん

京都にある有名なお茶屋さんは現在もほとんどが一見さんお断りの制度を取っています

今回は中でも有名な一力亭と富美代について調べました。

一力亭

一力亭は、花見小路通りの入り口にあります。また、このお店は創業300年の老舗なので祇園の中で最も格式が高く、由緒ある有名なお茶屋さんです。

一力亭の外壁は、ひときわ引き立つ紅殻(べんがら)塗りの赤壁です。紅殻は「弁柄」とも呼ばれ、昔から京都の町屋づくりの家屋に良く使われ、耐熱性や耐候性があり防腐や防虫効果があります。

一力亭は一見さんお断りのお店ですがここの女将さんによると、初見客をむやみに断っているのではなく、お茶屋さんのお座敷で心地よい時間を過ごしていただくためにお客様の嗜好を良く理解した上でおもてなしをしたい、という心遣いがあるためです。

料金も上記で紹介したように、決まった値段設定はなく事前に調べることはできないようです。

 

富美代

富美代は、文化年間(1804~18)に創業されたと言われている老舗のお茶屋さんです。このお店は祇園甲部にあります。

富美代は、「一力亭」と同じように「赤前垂」(あかまえだれ)と呼ばれている称号を持っています。この「赤前垂」は、今日で言うミシュランのような称号です。

富美代には、創業以来「絶対に女系」「女将は絶対に結婚してはいけない」という2つの絶対家訓があるので、初から代々女将がお店を継承して、結婚をしなくても代々跡取りの娘をもうけてお店を継がせてきています。

富美代の入り口には「富」と書かれた大きな暖簾がかかっていて、奥にはリラックスして寛ぐことができるお座敷があります。 「富美代」も、一見さんお断りのお店です。 しかしながら京都にある有名な老舗のお茶屋さんの敷居は高いので、やはり常連さんの紹介のない「一見さん」が訪れることは難しいです。

 

一見さんが行けることも?お茶屋バー

お茶屋バーは、お茶屋さんを改装して作られたバーのことを言います。お茶屋さんではないため一見さんOKのお店もありますが、店舗によって形式や舞妓さんのお仕事も変わるためお店ごとに確認をする必要があります。

お茶屋しげ森・バーもり多

 

宮川町のお茶屋「しげ森」が併設して営んでいるバー「もり多」。
「しげ森」はお茶屋として一見さんお断りのシステムですが、バーであれば一見さんでも入れます。
このバーではカウンターに芸舞妓さんがいることも稀にあるらしく、芸舞妓さんと遊ぶチャンスがあるかもしれません。ただし芸舞妓さんが常駐しているわけではないので必ず会えるとは限りません。更に、このバーの常連さんになればお茶屋さんにも顔が利いて、人づてでは無く自分の力でお茶屋遊び出来るようになるかもしれません。

 

 

 

 

 

お茶屋バー 上七軒 四季

上七軒「四季」は”お茶屋風のバー”という形式を取っています。そのため、一見さんでも入店可能です。
「四季」も元々は上七軒にて一見さんお断りのお茶屋として営んでいたそうですが、どなたでも気軽に芸舞妓遊びが出来るようにと女将さんがこのような形式を取ったそうです。

このお店では、芸舞妓を呼ばずに普通に飲んだ場合と芸舞妓さんと遊べるお座敷プランが用意されております。芸舞妓を呼ばずに花街の雰囲気だけを楽しむ方法もあります。ただしこちらは舞妓さんとお酒を飲むのがメインで、お座敷遊びができないのでご注意ください。
芸舞妓を呼んだ場合だとお値段は一人3,5000円~。

 

 

一見さんでも楽しめる!お座敷体験プラン3選

お茶屋さんに入るのはやはり敷居も高くて無理…それでもお茶屋のようなお座敷遊びをしてみたい!という方の為に、一見さんでも楽しめる「お座敷体験プラン」を提供している場所がいくつかあります。どれも本物のお茶屋遊びのようで、とても魅力的です。

 

「お座敷体験プラン」の内容

「お座敷体験」プランは、お料理やお酒等を楽しみながら芸舞妓さんの演舞鑑賞、歓談、写真撮影、お座敷遊びなどです。

一般的に、最初の40~50分位はお料理とお酒を堪能しながら芸舞妓さんの京舞などの伝統的な芸事を鑑賞や歓談、その後に「お座敷遊び」を楽しみます。

「お座敷体験」プランは、事前に料金が決まっているプラン制なので安心です。また、芸舞妓さんの歴史や文化について説明してくれるガイドさんが付いているので、京都の「お座敷遊び」について学ぶことができます。

 

祇園はやかわ

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「祇園はやかわ」は、京野菜を使った京都祇園の料亭です。芸妓・舞妓さんを呼ぶことができるので、お座敷体験にもオススメです。場所は、多くの観光客でにぎあう花見小路から徒歩3分のところにあり、まさしく祇園の料亭です。

季節によって変わるこだわりの料理が提供されています。

 

芸舞妓さんを呼んでの「お茶屋遊び」が人気であり、料金プランは、料理あり料理なしの二つのプランがあります。

料金体系は以下のようになっております。

 

料理ありの場合

お花代 40,000円+食事代 10,000円〜30,000円(/人)+飲み物代+税・サービス料

(席が2時間半、舞妓・芸妓が2時間のご用意)

 

料理なしの場合

お花代 40,000円+飲み物代 5,000円(ワンドリンク付)(/人)+税・サービス料

(席、舞妓・芸妓共に2時間のご用意)

 

「祇園はやかわ」でのお座敷体験のメリットは、前日でも予約ができることです。急な予約にも対応いただけます。

 

昼:11時30分~LO13時30分

夜:17時00分~LO21時30分

定休日 不定休

個室4室・1名様から12名様(南店は最大40名)までご利用可

カウンター4席

 

新門荘

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新門荘は、祇園白川に位置する旅館です。旅館といっても、食事だけのプランや舞妓とお座敷体験を楽しむ「舞妓と京の雅プラン」など、多種多様なサービスが人気です。

 

人気の「舞妓と京の雅プラン」の料金体系は、

2名の利用で32,000円(税抜き、夕食代+舞妓さんのお花代)となっており、人数に応じて、一人あたりの料金が安くなっていく形になります。

舞妓在席が60分ということから、料金は他の「舞妓お座敷体験」と比べて比較的低めの設定になっております。

周辺には、鴨川・花見小路などが位置しており、その観光のあとのお座敷体験としておすすめです。

 

・時間:17:30~21:00

・定休日:不定休

 

八坂通り 燕楽(お座敷体験宴)

 

八坂通りの「燕楽」は八坂通りにあり、祇園から徒歩5分です。おでんや季節の食材を使ったお料理が中心で、生麩や湯葉など京都らしい食材が味わえます。

コース料理を堪能しながら舞妓さんとお座敷遊びが体験できる「お座敷体験プラン 宴-UTAGE-」を楽しめます。

料金は4名以上のご利用でお1人様25,000円(税込)で、3名様は35,000円(税込)、2名様なら39,000円(税込)です。コース料理と飲み放題が含まれているため、大変お得なプランです。

また、地方さんを呼ばなくてもお座敷遊びができるので、一般的なお座敷体験よりも非常に安く、しかも料金体系が明瞭なので安心して楽しめます。

一見さんでも参加が可能で、会食・接待での利用が人気です。写真や動画の撮影も自由にでき、京都での思い出もしっかり残すことができます。

11時から20時の間で好きな時間帯を選べるため、接待などの前後の予定に合わせて予約できます。

清水寺や建仁寺の南門に近く、最寄り駅の京阪電鉄本線「祇園四条駅」から徒歩約10分、「清水五条駅」からは徒歩約11分と好アクセスです。

・定休日:なし

・営業時間:11:00〜20:00(お座敷体験)

・席数:最大24名様、個室あり

 

「八坂通り 燕楽」でお座敷体験を楽しむなら

お茶屋さながら「お座敷体験」をしてみませんか。

京都のお茶屋さんは、「一見さんお断り」や「料金は言い値」などと言われているのでわかりにくく、「お座敷遊び」も敷居が高いイメージがあります。その一方で、気軽に体験できるお座敷体験。せっかく京都に旅行するのなら、お座敷を体験してみてはいかがでしょうか。

私がおすすめさせていただくのは「お座敷体験プラン 宴-UTAGE-」です。

やはり魅力は、料金体系のシンプルさと自分の観光の予定に合わせて予約ができる点。

「お座敷遊びは料金の言い値で怖い」という懸念がある方、「その日は観光で回るところがたくさんあり予定に合わせて体験したい」という方には特におすすめです。